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根管治療

根管治療とは

根管治療とは

神経を取って治療した歯なのに、化膿して痛くなり、浮いたような感じになり、ぐらぐらした経験はないでしょうか。場合によっては抜歯を余儀なくされる場合もあります。どうして治療したところが傷んでしまったのでしょうか。これには理由があります。
神経を取って薬を詰める治療法を根管治療といいますが、根管治療は非常に難しい治療なのですが、健康保険での診療報酬が安価に設定されています。診療報酬が低い治療に時間や手間をかけるわけにいかず、痛みがなければすぐに被せて治療を終わりにしなければならないのが、日本の保険治療の現状であります。しかも治療に使う器具や方法は、およそ100年前とほとんど変わりません。
シックハウス症候群の原因となり、環境ホルモンに指定されているホルムアルデヒド(ホルマリン系)の強力な消毒薬を使い、(リーマー・ファイル)というステンレス製のヤスリのような器具で感染した所を削り取り、(ガッタパーチャー)というゴムを詰める治療法(根管充填)です。ヤスリでは完璧に感染源を取り除くことができず、汚れを奥の方に押し込んでしまいます。場合によっては、敏感な根の先を破壊してしまうこともあります。
根管治療は一番最初に治療する先生の手技的技術が、その後の歯の寿命を決定してしまいます。また、根管充填も、完璧に充填することができずに死腔(デットスペース)ができてしまう。そこにタンパク質や血液が入り込み腐敗して膿が溜まっていきます。それが再発の原因であります。

当院の根管治療の特長

「複雑な形状の根管にも対応できる」最新の根管治療

特徴01「複雑な形状の根管にも対応できる」最新の根管治療

近年、根管治療における新たな潮流として、マイクロスコープ、NiTi製ファイル(ニッケル・チタン製の器具)を用いた治療法、根の長さをリアルタイムにモニターしながら拡大形成ができるエンドモーター(X―スマートProプラス)を使用した治療がトレンドとなってきています。
マイクロスコープにより、根管内の様相を正確に審査診断することが容易になりましたが、根管拡大・形成、洗浄、そして根管に薬を詰める根管充填に至る手技が困難なのは、限られた視野の中での手指の作業と根管形態の複雑さに起因しているためです。視野を広げ、作業を容易にするためにはラバーダム防湿は必要であるし、患者様の安全を考えた上でも必須であります。
根管治療で最も重要になってくるのは複雑な根管を単純化する(ストレートラインアングル)の形成やグライドパスの形成です。歯は経年変化で石灰化し、根管の形状も湾曲が強くなってきます。湾曲の強い複雑な根管をそのまま治療すると、器具の破折や根管とは違うところに穴をあけてしまう(パーフォレーション)というトラブルを招くリスクが高くなります。
マイクロスコープで根管を直視して、NiTi製ファイルで直線的に器具が挿入できるように拡大し、ファイルがスムーズに行き来することができるようにグライドパスを形成することにより、複雑な根管を単純化することが重要になってきます。
そのなかでも根管治療器具であるWaveOneは、反復回転運動により1本のファイルで根管拡大形成を完了、及びファイルを滅菌再利用しない“Single Patient Use”のコンセプトで、治療回数の短縮、治療器具の劣化による破折の防止や、再利用しないことによる感染リスクの解消など、多くの利点があります。

「細部まで綿密に殺菌・洗浄」超音波による根管治療

特徴02「細部まで綿密に殺菌・洗浄」超音波による根管治療

根管治療法は、(リーマー・ファイル)などステンレス製の手用切削から、柔軟性と弾性に富んだニッケルチタン製の回転切削器具を利用した機械的根管拡大へとテクニックが移行してきたことにより、根管治療法の効率化や安全性に画期的な変化をもたらしました。
しかし、あくまで根管拡大操作の効率が上がっただけであり、拡大に伴う汚物の除去、清掃・洗浄、根管表面の汚れたスミアー層の除去などは、今までの根管治療と変わりがありませんでした。
それに対して超音波チップによる根管治療は、注水された水が根管内で撹拌・還流する「キャビテーション効果」により、根管内の異物や汚物が根管内に浮遊し、効率的に排出されるようになりました。

特長03「殺菌効果の高い」YAGレーザーによる根管治療

特長03「殺菌効果の高い」YAGレーザーによる根管治療

根管内の清掃、殺菌、消毒に対するレーザーの効果を支持する論文が多くなってきています。根管内にYAGレーザーを照射し、根管内表面の象牙質深部に侵入した細菌に対して、その減少効果が認められるのは確かです。
レーザーの根管殺菌メカニズムは、高密度のレーザーエネルギーによる熱効果が主であるとされています。レーザーを根管壁象牙質に照射した際の効果として、細菌などの汚れを含んだ削りカス(デブリス)の蒸散による根管内の清掃効果と象牙細管が封鎖され、根管壁が滑沢になります。従来、根尖病巣内には活動性の細菌は存在せず、十分に根管拡大・清掃がされていれば根管内に細菌が残存していたとしても、根管充填により象牙細管内に閉じ込められると生存できなくなるとされてきました。しかし、最近の論文などには、根尖病巣内にも細菌が存在しているという報告が相次いでいます。
根尖病巣内に細菌が存在しているとすれば、病巣そのものに対しても積極的に対処するべきと考えるのが自然です。
特に根の先を破壊してしまった症例などは、象牙質表層が溶解し、象牙細管が封鎖されることにより、根管壁における細菌を含む有害物質の根管並びに歯周組織への通路を遮断し、根管内の再感染の防止と微小漏洩を減少する効果が期待できます。

「経年変化がほとんどない」根管充填

特徴04「経年変化がほとんどない」根管充填

清掃拡大された根管内の再感染防止のために薬を詰めるのが根管充填の目的です。充填方法は大きく分けると垂直加圧と側方加圧に大別されます。
垂直加圧は熱で温めた流動性のある樹脂を、一定の圧を加えながら充填していきます。術式は簡単ですが、根の先から薬が出てしまうリスクがあるため、万能な術式ではありません。
側方加圧はゲージで図った固形の根管充填剤(ガッタパーチャ)を根の長さまでコルク栓のように封鎖をするテクニックで、煩雑な操作を伴いますが、確実に根尖を封鎖することができます。そして、MTA剤(組織再生誘導を促す根管充填剤)と併用することにより緊密に封鎖することによりデットスペースも存在せずに充填でき、経年変化もほとんどありません。

根管治療は非常に高度な治療法であり、米国では根管治療専門の歯科医師(エンドドンティスト)が治療を行います。
マイクロスコープ、ラバーダム、CT、NiTiファイル、MTA剤など、最新のソリューションを駆使して完璧な治療を行います。
大幸歯科では、専門的知識と最新のソリューションを比較的安価な価格で対応し、一人でも多くの方に良質な治療を受けていただけるように努力しています。
また、当医院のドクターはインディアナ大学、UCLAの歯内療法科でもトレーニングを受けています。

最高の根管充填法とは

根管充填とは根管内をできる限り無菌化した後に、この状態を維持するため根管内に薬を詰める治療法で、大きく分けて2つの目的があります。
一つ目は、根管治療(歯内療法)の機械的化学的清掃拡大によって無菌化された根管を再感染させないために、根管と根尖歯周組織をつなぐ感染経路を封鎖することであります。しかし、実際には根管の完全な無菌化は困難です。なぜならば、歯の象牙質には象牙細管があり、その細管の直径は0.8~2.2μmであるのに対し、ブドウ球菌やレンサ球菌といった細菌の直径は0.8~1.0μmであり、細菌は象牙細管内に侵入することが分かっているからです。すなわち、機械的化学的清掃拡大を施しても、取り除くことができない僅かな細菌が根管内に残存します。

この除去しきれなかった細菌や炎症を起こす起炎因子の不活性化をさせるのが2つめの目的であります。象牙細管内に埋没する細菌へ栄養源の供給を断てば、細菌や起炎因子は再増殖することはなく、再発の防止を図ることができます。
根管内の細菌を除去すれば、治療回数や治療時間に左右されることなく根管充填に移行すべきであります。事実、痛みや排膿などの症状がなければ、根管治療を1回で完了する方法(即日根管充填)と根管治療を数回行ったものとの間に有意差は無いことが証明されています。米国の根管治療専門医では抜髄根管治療(初めて神経を取る根管治療)は即日根管充填するのが一般的であります。

次に、根管充填剤といえば古くからガッタパーチャが用いられ、熱容量の異なるα型とβ型の2つの結晶型があります。α型を65℃以上加熱すると非結晶型となり、時間をかけて徐々に冷却するとα型に再結晶し、早く冷却するとβ型となります。ガッタパーチャは60%が結晶化しているため、天然ゴムよりも硬く、弾性も小さいのが特徴です。
現在、根管充填はガッタパーチャを成分に含む根管充填剤を組織再生誘導効果のあるMTA剤とともに使用し、加圧しながら充填する方法が主流となっています。加圧充填法は大きく分けると、β型のガッタパーチャポイントを用いる側方加圧充填法と、α型を用いる垂直加圧充填法の2つがあります。
米国歯内療法専門医の根管充填法のアンケート調査によると、垂直加圧充填法(continous wave of condensation technique)CWCTが48%、側方加圧充填法が43.6%であり、症例によって複数の根管充填法を使い分けていることが考えられます。

垂直加圧充填法では、加熱軟化したガッタパーチャのフローを利用して流し込むため、枝分かれした側枝根や網状に分岐した根尖分岐など、根管の隅々まで薬を充填できるようにみえ、側方加圧充填法よりもレントゲン的には優位に見えます。しかし、軟化したガッタパーチャの根尖孔外への溢出を制御できない欠点もあります。
根管充填後の予後に関して両者に差はみられません。最高の根管充填法は、術者が身に着けた熟達した方法であるのですが、症例に応じて使い分けるのが大切だと思います。
近年、米国で根管充填の主流となりつつある方法は、垂直加圧と側方加圧充填法の両方の利点があるサーマフィル法です。
サーマフィル法は根管の拡大形成後に、根管の先端径とテーパー度を確認します。サイズを確認したら根管に適合するサーマフィルを選択し、長さを合わせて根管内にMTAシーラーを塗布した後、専用の機械でサーマフィル・ガッタパーチャを軟化して、根の先端まで図った長さまでゆっくり挿入していきます。それで終わりです。
垂直加圧充填法の中で軟化したガッタパーチャを根尖孔外へ押し出さない利点もあり、過剰に歯を削らなくて良いことから、細く湾曲した根管の充填にも対応できます。
難易度の高い根管充填には必須のテクニックです。

根管治療の流れ

1根管内部の清掃

ファイルという専用の器具を使い、根管の中を清掃します。虫歯の原因菌によって感染した神経や血管などの組織を残さずに除去し、さらに根管を拡大します。汚染した組織が残ったまま処置を終えてしまうと、虫歯が再発してしまいます。再治療が必要にならないよう、当院ではチタンでできたNiTiファイルを採用し、根管の内部を回転切削してすべての汚れを取り除きます。

根管内部の清掃

2薬剤による殺菌・洗浄

ファイルで削った感染歯質や感染物質が残らないように、根管の中を洗浄します。洗浄の際に薬剤を使い、細菌が完全に除去されるよう殺菌して丁寧に洗い流します。もし汚れがわずかでも残ってしまうと、細菌がそれをエサにして繁殖して、膿が消えずに周囲の骨などに悪影響を及ぼす可能性があります。こうした再発を防ぐために、根管治療の殺菌と洗浄は重要な工程となります。当院では超音波チップおよび症例によってはレーザーを使用し、徹底した殺菌・洗浄を行っています。

薬剤による殺菌・洗浄

3根管充填

殺菌・洗浄によって根管内部が完璧にクリーンな状態になったら、根管充填を行います。根管充填とは、空洞になっている根管内部をガッタパーチャという天然ゴムを含む材質で埋め、密閉する処置のことです。デッドスペースを残さないようにすることで細菌が繁殖できなくなり、再発を防げます。MTA剤を隅々まで流して固め、充分に埋めていきます。

根管充填

4土台の作製

根管の内部に流し込んだ根管充填剤が固まって密閉できたら、最終的にセットするクラウンの土台を造成します。クラウンが安定し、かつ機能させることが目的で、歯を削ったところを埋めるなどの処置をします。歯の欠損が大きいケースでは、歯根に支台(コア)を造成し、クラウンの土台とすることもあります。コアには歯根を補強する重要な機能があり、コアの素材にもいくつかの種類があります。当院では「軽さ」と「柔軟性」に優れた新素材ペクトン®を使用したコアも取り扱っています。

土台の作製

5被せ物の装着

患者さまの歯型に合わせて人工歯を作製し、根管治療をしたところにセットします。土台としっかり適合するように気をつけて加工し、細菌が侵入しないように接着します。
クラウンをセットする際は、噛み合わせなどの調整を慎重に行います。噛んだときに違和感などがなければ、治療は終了となります。

被せ物の装着

再生歯内療法とは

再生歯内療法とは

再生歯内療法(Regenerative Endodontics)とは若年者の根未完成歯に対する根管治療に一つとされていて、抗菌剤による滅菌と意図的出血によって硬組織(歯根の先)を再生させ、歯根の長さと厚みを増して成長させるという新しい治療法です。最近では神経が死んでしまった歯髄壊死を伴った歯根完成永久歯にもこの方法が応用されてきています。再生根管治療により、根管の機械的拡大を行わないで滅菌・消毒薬で洗浄し、意図的出血と根管封鎖を行うことによって歯根完成永久歯の感染根管を患者自らが作った硬組織で充填・封鎖するという治療が可能であるなら、それは革命的な夢の治療法であると言えます。
再生歯内療法の適応症にはいくつかの特徴があります。患者の年齢は8~18歳で、根尖は未完成な歯であること。若年者の治癒能力は高く、幹細胞の増殖能力も強いので、年齢は重要な因子といえます。

全ての適応症に共通する重要な術式としては、根管壁の機械的拡大は行っていないことであります。根管拡大(リーマーなどで削る)を行わないことは、象牙質壁および象牙細管を閉塞するスメアー層(削りカス)を生成させないという利点もあります。削りカスがなければ象牙細管内の滅菌・消毒を効率よく行うことができます。
次に消毒の術式ですが、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は根管内の滅菌・消毒に有用であり、多くの症例では3Mix-MP(ciprofloxacin/metronidazole/minocycline)の3種類の抗生物質を混合したもの、または水酸化カルシウムを数週間根管内に貼薬します。いわゆる化学的方法が非外科的歯内療法として行われ、根管内に形成された血餅は、3次元的な組織増殖を助けるタンパク質の足場の役名を果たすとされています。
ほとんどすべての症例で、根管壁は継続的に厚みを増し、根尖は閉鎖します。しかし、その硬組織は組織学的には象牙質ではなく、セメント質や骨であることも分かっています。

治療のポイントは適応症例の選択と治療手順です。この治療法が適応される最も適切な症例は、根尖が広く開口していて、歯髄が死んでいる歯根未完成永久歯であることが条件です。
治療手順は第1回目にラバーダム防湿を行い、根の長さを決定することが重要です。根尖が大きく開口しているので根の長さを決定することが難しい場合が多く、この作業中に患者が痛がる場合、根管内歯髄が残っている可能性があります。その場合、次亜塩素酸ナトリウムやクロルヘキシジンで洗浄してからよく乾燥させ、3Mixあるいは水酸化カルシウムを貼薬し、厳密な仮封をし、次回は1~3週間後に予約をします。
第2回目の予約では、初診時にみられた急性感染症状である腫脹、排膿、疼痛が治まっているかを調べます。治まっていれば再生歯内療法のための意図的出血を行います。この時に止血剤を含む麻酔薬は使用しません。根尖より2~3㎜超えた部位まで細いファイルを回転させて根尖組織を損傷させて出血させます。根管内に血液が満たされ、血餅が出来たらその上に吸収性基質を置き、MTA剤や水酸化カルシウムで蓋をしてコンポジットレジンや永久セメントで充填作業をします。術後12~24か月後にレントゲンを撮影し、歯根が成長しているか確認をして歯冠修復治療に移行します。

再生根管治療の究極の目標は歯根完成永久歯の感染根管の治療です。その成功のためには、幹細胞、成長因子、足場の3因子が正しく統合・構築される必要があります。
通常の根管治療においても、再生根管治療のフィロソフィーを継承し、根管壁を必要以上削らずに化学的方法が非外科的歯内療法を原則的に行えば、根尖部は患者自身の再石灰化で生理的に封鎖されると言えます。
再生とは失われた組織が隣接する生きた細胞の増殖により完全に元の状態に回復することと定義されています。再生根管治療による治癒は、本来の再生ではなく、創傷の治癒もしくは修復というべきかもしれません。

●根管治療にともなう一般的なリスク・副作用

・治療内容によっては保険診療となりますが、機能性を重視する場合は自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・根管治療を行うと、歯の構造が筒状になるため、歯が破折しやすくなります。
・再度根管治療を行うとさらに根管壁が薄くなり、より歯が破折しやすくなりますが、コア(土台)と被せ物を接着力に優れたセメントで接着し、歯・コア・被せ物を一体化させることで、破折のリスクを抑えられます。
・再度根管治療を行っても、予後が悪くなってしまうことがあります。このような場合は、外科的な治療で対応することがあります。

●Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

・虫歯の除去、歯周組織の切開・蒸散、口内炎の凝固層形成、色素沈着の除去などに使用する機器となります。
・治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・虫歯治療で患部を削る場合は、その進行が初期の場合に限られ、進行したむし歯には切削器具などを併用することになります。
・虫歯治療で患部を削る場合は、切削器具ほど精密に削れないことがあります。
・このレーザー治療機を使ったことにより、虫歯や歯周病などの病気が再発しないというわけではありません。一般的な歯科治療を受けられたあと同様に、適切なケアや生活習慣を行っていないと、病気が再発することがあります。
・ペースメーカー、埋め込み型除細動器など電磁障害の影響を受けやすい体内埋め込み型医用電気機器をお使いの方には、使用できません。