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嚙み合わせ

複雑な動きをする顎関節

複雑な動きをする顎関節

皆さまが無意識に行っている呼吸やあくび、噛むことや話すことなどは、歯がそろい顎の関節が動くことではじめて円滑に行われます。もし顎関節に不調が起きると、こうした体の機能にも影響が及び、普段の生活にも支障が出るおそれがあります。それだけ重要な部位である顎関節ですが、実は複雑な動きをしています。
顎関節は関節頭と関節窩から構成されています。関節部の骨と骨の間には関節円板という軟骨があり、これが関節をスムーズに動かす役割を担っています。人間の顎関節は「回転」と「滑走」の運動が連携することで、複雑な動きをします。例えば、左の歯で噛むときには左の関節が回転運動し、右の関節は滑走運動をします。これらに関節円板や筋肉などが関連し、立体的で複雑な動きをします。

顎関節の原理

顎関節はさまざまな組織の作用によって複雑な動きをします。しかし、その基本となるのは、いわゆる「テコの原理」です。弱い力でもって硬いものを噛めるというイメージです。
テコの原理は、力を加える「力点」、動きを支える「支点」、そして力が作用する「作用点」の3つで構成されています。この3点の位置関係により、テコの原理は1~3級に分類されます。
顎関節の場合、「3級テコ」と同じ原理になります。裁縫の糸を切るときなどに使用する和バサミは力点と作用点が近く、支点に力がかかりません。顎関節も同様に、歯が噛み合うところが作用点となっています。関節に力がかからないため壊れにくく、合理的な構成になっているといえるでしょう。

噛み合わせの悪さが顎関節を痛める

3級テコの原理で動いている顎関節は壊れにくい関節であると言えますが、一方で作用点に当たる噛み合わせの高低が変わってしまうとバランスが崩れ、顎関節に大きな負担がかかります。もし奥歯が高くなると、噛むたびに顎関節に力がかかって関節炎を起こすおそれがあります。さらに、痛みがない方の顎でばかり噛む癖がつくと、奥歯が高くなった方と反対側の関節が痛む場合もあります。
これとは反対に奥歯が低くなると、今度は作用点が弱くなって支点である顎関節に強い負荷がかかります。こうなると顎関節から音がしたり、口をあけにくくなったりします。また、噛める方の顎でばかり噛む癖がつくと、顎がゆがんでしまうことがあります。

顎関節症について

顎関節症について

顎関節症は、奥歯が高くなる、または低くなることで関節円板がずれて発症します。また、片頭痛や耳鳴り、めまい、首や肩のこりといった症状が現れることがありますが、その場合は原因が顎関節にあるとはなかなか気づかれません。
もし、治療などによって噛み合わせが悪くなると、はじめは違和感があったとしても、そのうち忘れて気にならなくなります。しかし、顎関節などの組織には大きな負担がかかっており、顎や関節、関節円板のバランスがずれてきます。顎関節症は早期発見・早期治療によって改善しやすくなりますが、初期段階では症状が現れにくく、このように放置されてしまう傾向にあります。

噛み合わせの全身への影響

顎関節症の症状には、首や肩のこり、片頭痛、めまい、耳鳴り、不眠症など、実にさまざまなものがあります。顎関節の内側や後方には大切な神経や血管が通っており、顎関節がずれてくるとこうした組織が圧迫されます。
不正咬合になっている方の多くは、姿勢にゆがみがあると言われています。まっすぐ立っているつもりでも体が左右に傾いたり、脊椎がS字に曲がって脊椎側湾症になったりしているケースもあります。これは、不正咬合によって下顎や頭蓋骨のバランスがずれて、バランスを取ろうとするために起こります。これによって全身の神経系統に障害が出て、噛み合わせの不正によるさまざまな全身症状が現れると考えられます。
病院に行っても原因がわからない症状を不定愁訴といいます。不定愁訴は、体の異常を敏感に察知する人の防御反応です。症状を自覚し、早めに対策を講じることで、大きな病気を予防することができます。
お口や体に不調を感じたら、早めにご相談ください。早期発見・早期治療が、健康維持の第一歩です。

●顎関節症治療にともなう一般的なリスク・副作用

・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
・薬物療法で鎮痛消炎剤や筋弛緩剤を使う場合、胃腸障害、眠気、倦怠感などを引き起こすことがあります。
・スプリント治療やプレート治療を行う場合、装着を怠ると治療期間が長引くことがあります。
・顎関節症は矯正治療により改善されることもありますが、矯正治療と関係なく悪化することもあります。矯正治療を行ったからといって、必ず顎関節症が治るというわけではありません。現段階で、顎関節症と矯正治療との明確な因果関係は示されていません。